🏛️美容関連ポータルサイトにおける「個人の容姿の商品化」と人権的懸念について
政府機関/関係省庁 御中
平素より国民生活のための政策推進にご尽力いただき、敬意を表します。
私は、検索エンジンと連動する「ホットペッパービューティー」「楽天ビューティ」等の美容ポータルにおいて、美容師の氏名・顔写真を全面に出して宣伝する仕組みに強い懸念を抱いております。
芸術家や俳優、科学者の肖像が社会的文化財として尊重されるのは、人類全体の知的・芸術的発展に寄与した功績に基づく自然な要請です。しかし美容師という職業は、全国どの街にも数多く存在し、職業的には「大量供給型」の性格を持ちます。そのため、顔や名前を前面に出し「人間そのものを商品」として陳列する仕組みは、ケーキ屋や和菓子屋が商品を並べることとは根本的に異なり、人格権の切り売りに近い構造を生みかねません。
このような仕組みは、
個人の尊厳を「商品化」する危険性
競争上の不均衡を助長する危険性
プラットフォーム企業が人権を軽視した広告モデルを国際的に拡大する危険性を孕んでいます。
国際人権規範(世界人権宣言 第1条・第22条など)に照らせば、個人は固有の尊厳を持ち、経済的・社会的仕組みにおいても尊重されるべきです。人間の容姿や名前を「広告素材」として反復的に商品化するビジネスモデルは、この精神と相反するものであると考えます。
つきましては、
1. 美容関連プラットフォームの広告手法が人権的に妥当かどうかの検証
2. 消費者保護および職業人の尊厳を守るための規制・指針策定
3. 国際的な人権基準との整合性に基づいた運用改善
を早急にご検討いただきたく、ここに要望いたします。
国民の基本的人権を尊重する視点から、御省のご対応を切にお願い申し上げます。
浅田美鈴
(市民ジャーナリスト)