🏛️生成AI時代の肖像権保護と検索構造改革に関する要望
首相官邸 御中
拝啓
生成AIの急速な発展により、AI社会が人権保護の制度設計に追いつかない現状が顕在化しています。
特に、美容業界など商用プラットフォームに掲載された多数の人物写真が、AIの学習素材として流用される危険性が高まっています。
ホットペッパービューティーだけでも登録美容室は約28万件、掲載美容師は80万人規模に達し、
高精細な顔写真が大量に公開されています。これらはディープフェイクAIにとって理想的な構造を持ち、
本人の肖像権を侵害するだけでなく、同姓同名の他者の名誉や人格までも損なう誤結合を引き起こしています。
俳優やタレントは海外の登録団体により肖像権や著作権を守られていますが、
一般市民にはそのような制度的保護がなく、顔写真を公開しただけでAI学習の対象となり、
本人が知らぬうちに「生成素材」として利用される危険が極めて高い状況です。
従来は、ネット上に写真を掲載することのリスクは出会い系や詐欺利用などに限られていました。
しかし今は、生成AIによる人格・肖像の無断学習と再構成という新たな人権侵害が進行しています。
SNSや商用サイトにおいても、画像を検索に載せない、noindexやAI学習拒否設定を行うなど、
最低限のマナーと技術的制御を守る社会的枠組みが必要です。
さらに、美容系プラットフォームでは同一ページ内に複数の美容師を掲載する構造上の欠陥により、
検索クローラーが同姓同名の美容師を誤って統合表示する問題が発生しています。
この結果、他人の写真が同姓同名の美容師に結びつけられ、
同姓同名の一般人に対しても誤認被害が拡大しています。
こうした誤結合は「検索公害」としてユーザーの信頼を失わせ、
美容室への顧客離れを引き起こし、結果的に倒産を増加させている要因ともなっています。
つきましては、以下の制度的対策を要望いたします。
1. 生成AIによる顔画像学習の出典明示義務化
2. SNS・商用サイトにおける「AI学習拒否メタタグ(opt-out)」制度の義務化
3. 肖像公開を伴う職業(美容師・講師・医療従事者など)への簡易肖像登録制度の創設
4. 同姓同名誤結合による人格権侵害の迅速な削除・救済制度
5. 商用プラットフォームのページ構造・SEO設計に対する監査制度の導入
6. 「国民肖像保護データベース(仮称)」設立によるAI学習からの除外申請制度
AI社会が人権の速度に追いつくためには、
「ディープフェイク防止法」および「検索構造改革法」の早期整備が不可欠です。
敬具
浅田美鈴(ASADA Misuzu)