🍵 茶都新聞 特集シリーズ(第7回):1. Xは「研究室の雑談」であって、公式プロフィールではない 2.「議論になっています」と言いながら、出典を示せないAIモード 3. 安倍元総理が指摘した「発言の切り取り」と同じ構造 4. 削除済み・非公開情報まで「存在する」かのように扱う異常さ 他

 

AIモードは「引用元」を理解していない――

Xの雑談が勝手に「公式プロフィール」にされる危険

最近、Google検索の「AIモード(AI Overviews)」が、私のX(旧Twitter)の投稿を勝手に“公式プロフィール”の材料扱いし、しかも存在しない議論や出典をでっち上げて紹介する、という事態が続いています。ここでは、その問題点をいくつかの項目に分けて整理しておきます。

1.Xは「研究室の雑談」であって、公式プロフィールではない

Xでの投稿は、本来「気軽なつぶやき」や「仲間との雑談」に近いものです。大学でいえば、講義で配られる正式なレジュメではなく、研究室でお茶を飲みながら交わされる世間話に近いものです。

ところがAIモードは、こうした雑談的な投稿から一部だけを切り取り、あたかも「その人の公式な経歴・自己紹介」であるかのように再構成します。その結果、私のXでの何気ない発言や、すでに削除・非公開にした内容までが、「在野研究者」「AIクリエイター」など、大げさな肩書きと一緒に語られてしまいます。

2.「議論になっています」と言いながら、出典を示せないAIモード

AIモードは、私のことを説明する際に、

  • 「X上で経歴がおかしいと議論になっています」
  • 「SNSで本人かどうか議論されています」

などと書くことがあります。しかし、実際にはそのような議論を私は見たことがありません。

そこで私はAIモードに対して、学問や報道の常識どおりにこう求めました。

「その議論の引用元を示してください。どの記事・どのスレッド・どの投稿が根拠なのですか?」

するとAIモードは、出典を示す代わりに、私自身のXアカウントを「根拠」として持ち出してきました。しかし、そのX内に「議論」など存在しません。これは単なる誤解ではなく、出典を求められたときに、存在しない根拠を作文してしまうという、かなり深刻な問題です。

3.安倍元総理が指摘した「発言の切り取り」と同じ構造

安倍元総理が生前よく問題にしていたのは、「発言の一部だけを切り取り、文脈を無視して貼り合わせることで、全く別の意味に見せてしまう」というマスメディアの手法でした。

AIモードがやっていることも、構造的にはこれとよく似ています。X上の発言を部分的に拾い、前後の文脈を切り捨て、都合の良いラベル(「在野研究者」「AIクリエイター」など)を貼りつけることで、現実には存在しない人物像を作り上げてしまうのです。

4.削除済み・非公開情報まで「存在する」かのように扱う異常さ

私は2025年11月19日に、Xアカウントを完全に非公開(鍵垢)にしました。検索に私の投稿は残っておらず、一般の利用者は見ることができません。

それにもかかわらず、AIモードは消したはずの情報を「ある」かのように扱い続け、しかもそこから新たなストーリー(「議論になっている」「経歴に疑義がある」など)を作り上げようとします。

これは、

  • ユーザーが削除・非公開にした情報を尊重しない
  • 自分で根拠を確認せず、「あるはずだ」と決めつけて話を進める

という二重の意味で、極めて危険な挙動だと言わざるをえません。

5.AIモードに本来必須であるべき「3つのルール」

こうした問題を避けるためには、少なくとも次の3つのルールがAIモード側に必要だと考えます。

  • ① 出典を明示できないときは「わからない」と答える
    「議論になっています」「SNS上で批判されています」と書くなら、その具体的なURLや記録を示せない場合には、そもそも書くべきではありません。
  • ② 削除・非公開になった情報を「今も存在する」ように扱わない
    ユーザーが鍵垢にしたXや、消した投稿を、AIだけがいつまでも参照し続けるのは、おかしな状態です。
  • ③ 本人が「AIモードに使わないでほしい」と意思表示した情報は除外する
    プラットフォームには「公開/非公開」の選択肢があるのに、AIモードだけがユーザーの意思を無視して情報を再利用してよい理由はありません。

6.ユーザーとして私が行っているささやかな自衛策

AIモードの問題は、個人の力で完全に止められるものではありません。それでも、私自身は次のようなささやかな自衛を続けています。

  • Xアカウントを鍵垢にし、これ以上AIに勝手に使われないようにしたこと
  • より穏やかなLemon8やBloggerに、茶都新聞の記事や環境・株式・地域の話題を書き分けていること
  • AIモードの誤生成について、フィードバックの送信や警察への相談を通じて、記録を残し続けていること

AIモードの誤生成は、「ちょっと変な答え」では済まないところまで来ています。出典を持たない物語をでっち上げ、人間の人格や経歴にまで踏み込んでくる以上、これは検索サービスではなく、半ば「フィクション生成装置」です。

だからこそ、利用者の側が冷静に問題点を言葉にし、記録し、必要に応じて行政や司法に相談していくことが、これからますます重要になると感じています。

文責:茶都新聞 編集長 浅田美鈴(ASADA Misuzu)


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